由紀の酒オンライン日本酒会「白老」
11月1日(日)に愛知県の白老(はくろう)を醸す、蔵元の澤田英敏(さわだひでとし)さんをお迎えして、オンライン日本酒会を開催いたしました。皆さんもぜひ白老を飲みながらご覧ください。
00:00:43 蔵元、澤田英敏さん挨拶
00:00:59 甑(こしき)の説明
00:04:00 乾杯
00:04:50 澤田酒造の紹介
1848年(嘉永元年)創業
焼き物(常滑焼)の町、明治初期には灘(なだ)とほぼ肩を並べるほどの全国二位の生産地。澤田酒造の酒は昔からほとんど地元で消費されていた。近年は少しずつ県外も増えているが、それでも地元消費65%。
00:10:00 酒蔵開放について
2016年がMAXで5500人規模だった。ややキャパオーバーだったが、幸い「ねのひ」さんが酒蔵開放を復活させるなどもあり、人数も3500人規模となり落ち着いた。
00:17:55 現在入荷している酒米について
若水、五百万石で、今後も山田錦、雄町、千本錦、八反錦、あけぼの等、ぞくぞく入荷してくる。
00:20:00 槽場直汲生
蔵内の冷蔵施設は、他の蔵と比べて非常に少ない。今回の槽場直汲生も隣町の食品会社の冷蔵施設に搾ってすぐ移動。-3℃での保管。瓶内二次発酵でヘッドスペースは二酸化炭素となり酸化しない。この時期でもガス感があり、フレッシュなお酒となっている。
00:22:10 白老の酒
本来の白老は常温保管して「おし味」を乗せたお酒が地元で好まれている。「槽場直汲生」や「ひやおろし」のようなフレッシュローテーションでは、65%の地元顧客が満足してくれない。
知多半島はもともと陶器の町で汗をかく仕事が多いことから、味が濃い。また全国屈指の発酵調味料の揃った地域。地元の食文化の強い旨味に対し、酒も旨味が必要。
00:30:50 全国新酒鑑評会「入賞酒」
特A東条町産山田錦40%精米、酸度、アミノ酸度低目でメーターを切った酒。白老の酒とは真逆の出品酒。
今は酸度をあげてアミノ酸度とのバランスをとり切れるほうにしているが、以前は甘い、重い、だれるお酒だった。若水の特徴でもある苦みをマスキングするためにも、許容されるようになってきた酸を上げることで調整している。
蛇管での火入れ。昨今のひやおろし出荷時期問題もあるが、早いから味が乗っていないは良くないので、造りや、この火入れ方法タンク貯蔵での味の乗りを意識している。
00:48:18 質問より、千本錦の今後
旅館などからの要望でフルーティーなお酒があるが、米が高いことから純米吟醸価格で3,500円を超え、需要が減ってしまう。圃場見学で作りての若さ、情熱を知り可能な限り続ける考えに。しかし白老にフルーティーを求めていないと言われるのも事実(笑)。
00:53:28 バーチャル蔵見学
仕込み水、酒蔵から2km離れた丘陵地から湧き出している水を、江戸時代に近隣8件の酒蔵共同で引いた。アメリカ硬度で23と言う超軟水。(60以下を軟水、60~120を中硬水)
この水だけでは酒母が沸かないほど。別に引いた井戸水が、一転120と言う中硬水なので、調整して使用。この水が製造量が多い地域の所以。
洗米、ウッドソン
甑、和釜で蒸す。最も安価な料理酒もこれで蒸す、と言うかこれしかない(笑)。クレーンなどは無いので、米を張るのも掘り出すのも全て人力。
麹室、全量蓋麹、二室で温度差。吟醸以上はやや高めの温度。
種麹菌、三社使い分け、あまりにグルコース濃度が高くなるものは避けている。
酛、現在は生酛、山廃はやっていない。
木製暖気樽が現役。小仕込みになることで使用頻度は減っている。
搾り、MAKINO(常滑製)タイル製造用途で集めた土を、水を入れて攪拌し、ろ過するための機械。
01:30:00 質問より、麹室の熱源
熱線だけの簡易的な物。
剣菱が麹の熱だけの室、彷彿とさせている。
新政、全量蓋麹は全国でもほぼない→愛知白老にあり。
料理酒まで蓋麹。この料理酒がお値打ちなので最近人気に。
01:46:00 質問より、この出品酒のような低酸な酒質で他の特定名称は?
現在の冷蔵設備のない環境では、時期が1月のみと限られる。
01:51:20 質問より、仕込み水ブレンドの比率は確立しているのか?
酒母の段階なのか、そうでないのかはもちろんあるが、パターンは無限。米の質に合わせる意味でも、微調整が加わる。
01:52:15 要望、せっかくゆかりのある水質違いなので、それぞれ酒を仕込み、後から消費者好みでブレンドも面白そう。
01:55:38 質問より、木製の甑や麹蓋のメンテナンス今後
ウッドワークスとの連携で行く。いざと言うときは剣菱、加茂鶴の2件から確保できる。
02:00:00 要望、千本錦は純吟より吟醸が好きだった
アル添の良さ、純米の良さ、それぞれだがアル添にすると販路が大幅に狭まる。
02:02:50 質問より、海外展開は
規模的には少ないが、アジア中心に、その他、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア等。直取引ではなく商社経由。
02:05:10 白老「純米吟醸」豊穣
麹、特A山田錦、掛、八反錦。協会10号酵母。瓶内熟成も含め、10号が面白い。
02:10:30 質問より、東西市場規模
東京は発酵食品のつながりなどもあるが、酒質的には大阪が多い。
02:12:25 関東で飲めるところ「つくしのこ」
現在は予約をとるのも難しくなっている。
02:34:00 原料処理(ウッドソン)
導入、6・7年前。酒質向上と相反する求められる白老の旨味。米質自体も低タンパクとなってきて、味乗りしずらい。洗米方法も工夫している。
02:38:30 槽場直汲
荒走りの最後の一部から、官能でここからここまでを決めている。酒質安定。
02:43:10 設備投資に5億円使うことができたら?
南海トラフ対策としても、水源に近い内陸部への蔵移築。
02:56:25 〆の乾杯
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由紀の酒オンライン日本酒会「龍力」
9月6日(日)に兵庫県の龍力(たつりき)を醸す、蔵元の本田龍祐(ほんだりゅうすけ)さんをお迎えして、オンライン日本酒会を開催いたしました。皆さんもぜひ龍力を飲みながらご覧ください。
00:00:25 兵庫県、株式会社本田商店、本田龍祐さん紹介
00:01:35 乾杯
00:03:05 使用米、秋津について
お燗をして飲むのが当たり前だった時代(約40年前)。
ロマネコンティの畑のように、これ以上ないくらい手を入れ原料米を作る。秋津の始まり
農法指定の契約栽培を始めたのは龍力が最初
-3℃で最低3年寝かせての出荷。
味わいの独特の丸さは、稲木掛け(天日干し)によるもの
00:18:45 社(やしろ)地区、東条(とうじょう)地区吉川(よかわ)地区の違いは。
気候の微妙な違い?、三草川(社)、東条川(東条)、美嚢川(吉川)の違い?
→土壌の違い。
00:30:15 社地区
土壌断面標本(モノリス)での説明
主要粘土鉱物、イライト。
下部にレキ、水はけがよい。根は横方向に伸びる
酒の特徴、綺麗、苦み渋みが少ない
00:33:46 吉川地区
主要粘土鉱物、スメクタイト。
酒の特徴、酸、特徴が出やすい。
土地のどの成分が味わいを形成しているのかは、解明されていない。
00:36:04 東条地区
主要粘土鉱物、スメクタイト
社と吉川の中間の特徴を示す
酒の特徴、バランスタイプ
00:38:20 それぞれの特徴を活かした蔵
社(やしろ)→獺祭
00:44:20 質問より、今回の秋津生の醸造年度
令和元年BY
00:44:50 質問より、秋津生で最も寝ているのは?
5年くらい
海老さんの2009年の秋津生登場
00:46:06 質問より、社の横に伸びる根は、倒伏の危険性は?
減農薬栽培をしていれば大丈夫
00:46:36 質問より、自然乾燥について
天日干しの発芽率95%~100%
温風を使わない機械乾燥の発芽率、約50%
通常の機械乾燥の発芽率、5%
00:51:12 質問より、減農薬、無農薬について
減農薬が良いと考えている
01:04:36 スライドによる蔵見学
鉄筋で大規模に見えるが2,000石
冷やして飲んで美味しい酒を造るため、5℃の冷蔵蔵になっている
01:11:14 精米について
原形精米 ゆっくりと削ることで原形精米となる
01:17:00 洗米
建物の2階に原料処理の場所
洗米についての座右の銘は、開運の波瀬正吉杜氏の「洗米は1%磨くつもりで洗え」
マイクロバブルでの洗米
01:21:19 甑(こしき)
捌けの良い蒸米にするため。
01:24:10 蒸上がりから放冷
蒸米を釣りあげて放冷機へ
放冷後の蒸米の移動は、エアシューターの毎日の清掃か、自分で運ぶかの選択だった
01:26:00 麹室
4部屋、種切り、上に向けてもやしを振る
全量蓋麹
15℃以上の差で結露するので、出麹までにワンクッションおける部屋
01:36:55 吟醸蔵
農口さん考案のタンク10台中4台が龍力
サーマルタンク30本→貯蔵
仕込み蔵は室温5℃
新型コロナの影響として、タンクが空かないことで造れない
01:39:15 上槽
YABUTA(味系)とNSK(香り系)の二台を使い分ける
01:44:38 貯蔵庫
ペンキ塗りたてで見れないと言うおち
01:49:10 精米機(藤江さん提供画像)
新中野、扁平精米、原形精米の理論を作った精米機、4台
01:51:07 質問より、火入れは
プレートヒーター(藤江さん提供画像)
01:53:10 瓶詰めライン(藤江さん提供画像)
冷蔵無菌室内での瓶詰め
01:54:26 瓶詰めライン(藤江さん提供画像)
打栓機
01:55:20 貯蔵庫(藤江さん提供画像)
さきほどペンキ塗りたての落ちで見ることができなかった、お宝の山の写真
01:56:10 洗瓶機(藤江さん提供画像)
もう一度洗瓶機から瓶詰めラインまでの流れ、冷却はシャワー(TOMIYAMA)
02:00:00 池袋西武試飲販売の頃
02:02:50 試飲販売の頃の経験がドラゴンシリーズに繋がる
02:11:30 への字稲作
最初の壁、根が伸び切った時に肥料を与える
…、そもそもいつ伸び切ったとわかるの?
02:17:00 兵庫の山田錦、コロナの影響
R2BYの減産状況次第で農家も続かなくなる。正念場
02:20:08 香り系酵母は減産
熊本4号(KA-4)香りの出やすい熊本酵母をやめ、熊本1号(KA-1)にする
純米の方が後から撥ねる。大吟醸は香り成分も高い分早飲み
02:26:10 質問より、熟成によるクラスター効果
アル添のほうが、早くまとまるような気がするが…
ものによる…(笑)
02:28:50 質問より、熊本9号(KA-1)の使用は大吟醸も?
今の4部屋での製麹が、力価が高いこともあり、αアミラーゼとグルコアミラーゼの比の値が3.0がベストのところ、香り系酵母では10を超えることも…。香りの出ないほうでも必要十分な香りが出る。
02:32:40 〆の乾杯
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由紀の酒オンライン日本酒会「蓬莱泉」
8月23日(日)に愛知県の蓬莱泉(ほうらいせん)を醸す、蔵元の関谷健(せきやたけし)さんをお迎えして、オンライン日本酒会を開催いたしました。皆さんもぜひ蓬莱泉を飲みながらご覧ください。
関谷醸造概要
1985年、現在も主力となっている「蓬莱泉、空(くう)」発売
2006年、農業に参入。2020年現在で29ha、酒米を自社生産する規模としては全国トップクラス 00:26:35 糀 MARUTANI 二号店、久屋大通に2020年9月18日にオープン。
00:27:59 R257 道の駅「したら」に酒造り体験特区として「酒らぼ」2021年4月オープン予定
00:29:40 質問より、空が入手困難となったのは、いつ頃から?
90年代中盤の吟醸酒ブームから。
00:41:28 質問より、可。生生、生詰について
3月~5月で出荷量が減ってしまったので、通常商品でない3年熟成生酒にも挑戦。
00:42:30 質問より、雄町について
兵庫県の山田錦でお世話になっているところから、何とか使ってもらえないかとの打診から。 00:48:20 山田錦35%精米H21BY金賞受賞酒について
00:52:45 空の大きなボトル看板について
4.5mのものと3.6mの2種類の大きさがある
00:57:10 質問より、蓬莱泉「美」を純米吟醸から純米大吟醸に変えたのは?
もともと美山錦の精米歩合50%で純米大吟醸規格だったが、45%に変えたこともあって特定名称も純米大吟醸とした。
00:58:57 質問より、蓬莱泉「空」の掛米も40%精米としたのは?
美との差別化。美は1801号酵母。空は酵母ブレンドで落ち着き
空は愛知県酵母(FIA-2)、1401号酵母、僅かに1801号酵母で、ブレンド比率は変化
01:11:26 質問より、アル添と純米で長期低温熟成した時に差はあるか?
アル添と純米の差ではなく、酸度で違いがある
01:26:46 質問より、精米について
扁平精米をしている。
01:28:56 上槽方法、遠心分離は?
由紀の酒20周年記念酒はYK-35遠心分離
01:35:21 関谷社長の写真
米の花の写真、気温で穂の上から順に咲く、一時間くらいで咲いてとじる
01:41:14 質問より、遠心分離を使用した市販酒が出ていない理由
コストが見合わない
澄酒と滓酒で半々
滓酒はスパークリングにすると楽しそう
01:49:48 質問より、一念不動の熟成原酒の熟成期間は?
タンク貯蔵で2~3年
01:52:28 質問より、山田錦35%精米H21BY金賞受賞酒の酵母は?
アルプス酵母でした。(後日談)
開栓後の変化でさらに丸くなった
アルコールが馴染んだ
僅かな酸で骨格?、僅かな苦・渋で切れ
02:17:36 添加するアルコールの今後
これまで自社製造米焼酎の添加だったが
手指消毒のためスピリッツ免許取得から、米原料の醸造アルコールとすることもできる
特定名称を外した銘柄「朋、酒蔵の唄、人生感意気、別撰、秀撰」の売り上げがまったく変わらなかった。特定名称の必要性?
02:21:20 コーシャやビーガンの認証は?
取得条件はクリアしたが、費用に対する効果が現在は見えないので見送り
02:32:21 乾杯
02:42:29 質問より、糀 MARUTANI二号店での新たな取り組みは?
8タップあり、市販のない無濾過生原酒なども楽しめる
クラフトSAKE リキュールや雑酒扱いとなるが、果実カクテルなども
60ml、90ml、などの少量で有料試飲感覚でも楽しめる
02:57:30 乾杯で〆
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由紀の酒オンライン日本酒会「貴」
8月2日(日)に山口県の貴(たか)を醸す、蔵元杜氏の永山貴博(ながやまたかひろ)さんをお迎えして、オンライン日本酒会を開催いたしました。皆さんもぜひ貴を飲みながらご覧ください。
00:00:25 山口県、永山本家酒造場、永山貴博さん紹介
00:01:55 乾杯
00:02:50 使用米について
全国新酒鑑評会は予審のみで、結審がなかった。結審に使用するはずだった出品本斗瓶。東条山田錦40%精米、協会9号酵母。
東条と吉川の違い。
00:12:50 東条50%精米、加東市松沢地区の山田錦。蔵元数社(田酒、日高見、蒼空、貴)でグループを作り、村米制度で分けてもらえるようになった。
00:16:40 今後は、地元での米作りに本腰を入れていく。
00:22:25 事務所の二階、貴のショールーム見学。
話題になった、日本酒図書館や、こだわりの真空管アンプにJBLスピーカー。気軽に有料試飲を楽しめるカフェバーになる。
00:33:28 ケグサーバー 空気に触れないので、酸化を防ぐことができる。生酒をフレッシュなまま提供できる
00:43:43 バーチャル蔵見学
製麹室、最初の部屋にハクヨーの床用製麹機、奥の部屋は三面の壁に棚が設置されている。天井に換気のための天窓。
仕込み部屋、仕込みタンクや絞り(薮田式)はすべて冷蔵施設内にあり、四季醸造も可能。
1℃の貯蔵庫。出荷を待つ数々の貴、十年古酒などレアなお酒も。
01:02:28 質問より、ケグの初期投資は?
01:04:15 質問より、容器はリサイクル?
01:17:07 質問より、設備投資したいものは?
パストライザー&クーラー、精米機、除草機
01:26:23 質問より、現在の火入れ方法は?
プレートヒーターによる熱交換一回火入れで、そのまま瓶詰め。シャワーでの急冷。しかし急冷方法はまだ納得いっていない。プレートヒーター二台で冷ましてからの瓶詰は、新瓶なので火落ち菌の心配はほぼないが、ヘッドスペースが真空にならないことでのデメリットもある。
01:32:06 可愛らしいペット出現
01:42:50 質問より、今後の使用米について
米自信がもつパワーやテクスチャー、ストーリーの問題。パワーやテクスチャーでは、山田穂、雄町。ストーリーとして地元産の山田錦や、復活させたい山口産雄町。
01:46:10 質問より、山廃ブレンドの話から
アッサンブラージュ「ハーモニー」
アロマ、テクスチャー、酸でレイヤーを重ねていく面白さ。
92%精米のイートライス、酒化率が悪い。外側が硬くてとにかく溶けない。
02:18:10 質問より、貴のラベルの題字が左手で書かれた面白さ「左手線(さしゅせん)」
右手で書かれたラベルは?
02:31:05 乾杯
02:31:40 永山貴博蔵元杜氏、退出
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2020年上半期日本酒ランキング(総再生時間)由紀の酒
由紀の酒オンライン日本酒会「常山」
7月12日(日)に福井県の常山(じょうざん)を醸す、蔵元杜氏の常山晋平(とこやましんぺい)さんをお迎えして、オンライン日本酒会を開催いたしました。皆さんもぜひ常山を飲みながらご覧ください。バーチャル蔵見学も必見です。
00:02:03 乾杯
00:02:20 参加者の皆様のお酒事情、外飲みは?
00:03:38 常山酒造、概要説明
1804年(文化元年)創業
1997年、銘酒としてその名が轟くようにと気概をこめ、蔵元自身の名を銘とした
2001年、美山地区での契約栽培開始、ピロール農法による美山錦
蔵人と美山地区に移住し酒米作りをしている
仕込み水、こしょうずの湧水、蛍も生息するような清い水
造り、切れ上がるドライな造りながらも柔らかな旨味を乗せる
洗米、蒸し、製麹、仕込み、上槽までの様子紹介
分析しデータの蓄積もするが、蒸米、麹、もろみを観察もする
00:22:38 質問より、酒造りの修行や勉強は?
大信州の田中勝巳氏に師事
00:35:18 今、飲んでいるお酒紹介
使用酵母など、ラベルに記載のない内容も解説
純米吟醸「玄達」
玄達瀬とは毎年6月中旬から8月中旬までの2ヶ月間のみ解禁される特大サイズのヒラマサや真鯛は釣れる海域。地酒として地域を知ってもらえるツール
高級酒や一部の熟成酒を除き、基本的にフレッシュローテーション
00:58:07 質問より、ラベルが洒落ているがデザインは?
紋章上絵師の波戸場承龍さん、いくつもの円から描かれている
常山の題字、福井市生まれの書道家、岩田和枝さんデザイン。蛍の光の軌跡をイメージ
01:03:58 バーチャル蔵見学
二階イベントスペース
神棚、皆さんで松尾様にご挨拶
一階
4年前にリノベーション。土壁は漆喰、土間も全て綺麗にして衛生的にした
中二階
1000kg仕込みのタンクが並ぶ、昔ながらの佇まいを残す、魅せる蔵
タンク一つ一つが舞台となるようなライティング
冷蔵施設内(2℃まで下げることができる)
薮田式と袋吊り
奥に600kg仕込みのタンク
開きスペースで自然放冷もする
この冷蔵施設内で仕込みから上槽まで、温度環境を整えてできる
01:16:30 国産水楢(ミズナラ)の樽、ミディアムくらいのトースティング(焼き)での熟成、発売未定
01:33:00 蔵元様から飲み手への質問
直接蔵元とエンドユーザーが繋がれたこの機会に蔵元に言いたいこと、お酒はどうやって選んでいるか?
01:47:31 質問より、辛口と言う表示について
いまだに根強いキーワードの辛口、特に初心者の人への選ぶための基準
切れの良い酒、飲み続けられる酒
01:53:32 質問より、ラベル表記、選ぶための情報は
どういった酒器で、どんな温度帯で、どんな食と合わせるかを自分たちも勉強して提案していく。現在着手中なのでしばしお待ちを
02:00:50 ラベル表記
先入観を持って欲しくない→裏ラベルの簡略化→選ぶ指標がない
QRコードで蔵の説明サイトに飛び、答え合わせ
数値だけでなく、先ほどのどう合わせるかの提案
02:03:03 小容量化
02:10:34 オンラインイベントで良かった例
新政 オンライン蔵見学+自分が考えるこれからの酒造りが網羅されていた
知らなかった蔵元の酒を小容量で五本購入→蔵元が解説しながら飲める
蔵のストーリーが見えた
02:21:16 板さん登場
02:23:35 乾杯(2回目)
02:34:25 質問より、今造りたい酒の理想は?
盃が進んでも飲み疲れしない酒
アルコール度数はもう少しライトでも
02:35:53 質問より、食前酒から食中酒、食後酒まですべて揃えるのは?
玄達の様に、鯛が描かれている以上、魚に合わせる酒
今はそこにターゲットを絞って、尖がった酒にしている
これが常山と言う軸は外さないようにしつつも、多様化していく
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由紀の酒オンライン日本酒会「黒龍」さかほまれ
6月21日(日)に福井県の「黒龍」を醸す、畑山杜氏と、企画マーケティングの高松さんをお迎えして、オンライン日本酒会を開催いたしました。福井県の新たな酒造好適米「さかほまれ」についてお聞きした時の様子です。
(一部音声の乱れがあり聞き取れない部分を編集いたしました。)
さかほまれ
2010年に福井県農業試験場にて母株(種子親)に山田錦、父株(花粉親)に越の雫(先祖に五百万石や美山錦)を交配、その後選抜・育成を繰り返し、2018年に「越南酒 298 号」を「さかほまれ」として品種登録出願し、2019 年度より奨励品種として採用。名称は一般公募により決定。
「さかほまれ」は当面の間、福井県奥越地域(大野市、勝山市)のみでの生産となる。2019 年度の作付面積は約8haで生産されたのは約30t。
山田錦より短稈で耐倒伏性があり、収量性は山田錦より103%良い。「さかほまれ」の玄米千粒重は 25.4 g で山田錦より僅かに小さいが大粒。玄米のタンパク質含有率は6.1%で山田錦よりやや低い。心白発現率は山田錦より有意に高い。酒の味の特徴として「甘み」および「酸味」が多く挙げられた。製麹操作がしやすいのでハゼ回しや出麹のタイミングなどで味わいの調節が可能。
00:01:03 畑山杜氏挨拶 00:04:30 乾杯(音頭:畑山杜氏)
00:05:57 福井県産酒造好適米「さかほまれ」について(解説:高松さん)
総米800kgでの仕込み
心白の発現率が山田錦との比較で10%高い→よく磨けて50%精米くらいまでか?
頑張って40%精米まで磨いた
粗蛋白が山田錦との比較で若干低いので、磨かなくても雑味の少ない酒になる
00:19:20 質問より、これからとは思うが、熟成に関しての印象は?
黒龍としては、低温長期熟成でポテンシャルを引き出したい
00:21:00 質問より、これまでの黒龍のイメージと違うが、酵母の影響か?
県産米ということで、今回は県酵母での仕込みにこだわった
ふくいうらら酵母(FK-301)の後継で「FK-501」を使用。酢酸イソアミル主体
酸が独特で黒龍比較では、膨らみ、余韻がある。
00:31:15 質問より、このお酒の上槽方法は?
佐瀬式での上槽。基本的に大吟醸以上は現在は佐瀬式
佐瀬式でも薮田式でも使い方の問題で設備の問題ではない、大きな差はない
00:35:58 質問より、他の蔵のさかほまれの酒の印象は?
蔵の名前は伏せるが、生酛が独特の酸で、さらに熟成が進むと面白そうだった
もう一つの県酵母で華やかなタイプもあったが、「さかほまれ」はそういう造りにも合う
00:45:13 質問より、畑山さんの年齢は?
年男の48才。
00:45:50 質問より、黒龍酒造を背われるプレッシャーは?
責任を感じている
当時専務だった水野さんが、「俺の目標は由紀の酒を抜くこと」?
00:49:35 三年前に正龍蔵、龍翔蔵の二蔵にし、三期造り体制に
正龍蔵では、特に大吟醸以上のお酒を探求する
上槽は基本的に佐瀬式
00:54:35 原料処理の取り組み
洗米について→しっかり洗うことで米へのダメージがある
ソフトに洗う、もしくは洗わない工夫
00:59:25 質問より、貴醸酒がはちみつチック?
若い社員が5~6年かけて開発
熟成も考えられるようなものではなく、ライトで飲みやすいものをテーマ
畑山杜氏は酒飲みなので、貴醸酒自体を理解できないとのこと(笑)
01:03:41 質問より、吟風の使用は、畑山杜氏が北海道出身だから?
水野社長の生産者とのつながりから
01:06:55 質問より、初年度の吟風は、実は失敗だった?
上手くいってないと言うのは語弊があるが、毎年良くなってきている
01:09:45 質問より、フロンティア東条の山田錦は変化を感じるのか?
気候変動により品質の劣化が言われるが、大きくは変わっていない
01:13:35 酒造りも同様、米や酵母も重要だが、その土地の水が一番重要
原料のほとんどは水。価格面には税金も入っているが…
杜氏が他の蔵に移って同じ味が出せないのは、蔵、風土、場所、水
01:16:20 質問より、ろ過について
基本は火入れ熟成。日本の食生活に馴染むお酒
ろ過は一つのプロセスでしかない。ろ過をするしないでもない
良いお酒を造るためには、手段は選ばない
良いお酒とは、お客様が美味しいと言ってくれるお酒
01:24:45 質問より、より良いお酒造りのために欲しい設備は?
設備としてはない、しかし優秀な人材は欲しい
歴史、文化、哲学を理解した人材
これまでのデータの蓄積である程度はできるが、酒質設計の段階で画を書けるか
01:40:20 質問より、日本酒のアルコール度数が15度とワインと比べて高いのは何故?
酸に影響するところが大きいが、原エキス分にもよるところ
グルコース濃度なども影響する
アルコール度数が低いと薄く感じてしまう
01:51:10 質問より、日本酒の温度帯は?
非常に重要と考えている
非常に難しく、温度だけでなく時間も重要
変化を楽しむ
01:54:10 質問より、黒龍・九頭竜のブランディングについて
九頭竜は燗を念頭と置きながらも、冷やも良しのデイリーなお酒
地元向けの「あどそ」がちょうど今ごろ発売
02:04:53 質問より、無二の今後は?、飲んだ人の感想は?
仕込み的には造るので、低温熟成はさせていく(畑山杜氏)
ビンテージなので、揃えて飲みたいが価格的に難しい
02:10:50 ラスト〆の乾杯
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